「“この子より先に死ねない”と泣いたお母さん」
ある日、保護者の方が、ぽつりと話してくれました。
「私、この子より先に死ねないんです。」笑いながら、言われました。
でもその目は、笑っていませんでした。
「この子を残していくのが怖いんです。」
「誰が、この子を守ってくれるんだろうって。」
言葉にした瞬間、せきを切ったように涙が溢れていました。
私は、その場で何も言えませんでした。
かける言葉なんて、正直、見つかりませんでした。
ただ一つ、頭から離れなかったのは――
“この仕事は、人生を預かっている”という現実です。
生活介護も放課後等デイサービスも、ただの「サービス」ではありません。
今日1日を過ごす場所じゃない。
その子が生きていく“これから”を、一緒に背負う場所です。
別の保護者の方にも、言われました。
「すみません…この子の一生を、お願いしてもいいですか。」
お願いされた、なんて軽いものじゃない。
託されたんです。その人の人生ごと。
その重さを、どれだけの人が理解しているでしょうか?
一方で、世の中では――
「この制度は儲かります」 「効率よく回せば利益が出ます」
そんな言葉も、聞こえてきます。
…正直に言います。その言葉を聞くたびに、吐き気がします。
その人たちは、あのお母さんの涙を知らない。あの一言の重さを知らない。
知らないから、言えるんです。
もし、“利益”を優先する人が、この世界に増えたら――
一番に削られるのは何か?
人手です。
時間です。
関わりです。
そして最後に削られるのは――その子の「人生」です。
それだけは、絶対にあってはいけない。
私たちは、完璧ではありません。
間違えることもある。悩むこともある。
それでも、絶対に裏切ってはいけないものがあります。
「この子をお願いします」と託してくれた想いです。
だから、はっきり言います。
「儲かるからやる」なら、来ないでください。
「ビジネスとして魅力がある」だけなら、関わらないでください。
ここは、“誰かが命をかけて守ろうとしている存在”を、引き継ぐ場所です。
最後に。あの日、涙を流しながら言われた言葉。
「この子より先に死ねないんです。」
この一言を、軽く扱うような仕事だけは、絶対にしてはいけない。
そう、心に決めています。

