「あなたは、その人を本当に理解しようとしているか」
私は、福祉の仕事をしていて何度も自分に問いかけます。
「自分は、本当にその人を見ているだろうか?」
目の前にいる人の行動だけを見て、判断していないだろうか?
できないこと。 苦手なこと。 困った行動。
私たちは、ついそこに目を向けてしまいます。
でも、その行動の奥には必ず理由があります。
誰にも分かってもらえなかった想い、伝えることができなかった苦しみ、
頑張っているのに認めてもらえなかった経験。
その人には、その人だけの人生があります。
以前、ある利用者様との関わりの中で、忘れられない出来事がありました。
その方は、何をお願いしても拒否をされました。
活動にも参加しない。声をかけても反応しない。
職員が一生懸命関わっても、変化が見えない。
正直に言えば、職員の中には疲れてしまう人もいました。
「どうしたら分かってくれるんだろう」
「もう少し頑張ってほしい」
そんな気持ちが出ることもありました。
でも、私はそこで一度立ち止まりました。「私たちは、この人に何を求めているのか」
「この人の気持ちを、本当に知ろうとしているのか」
その方の過去を知る機会がありました。その方は、これまで何度も挑戦してきた。
でも、そのたびに失敗した経験があった。
周りから「できない人」と見られることが怖かった。
だから挑戦しないのではなく、「傷つかないために、自分を守っていた」のです。
その事実を知った時、私は胸が苦しくなりました。
私たちは知らないうちに、「できない理由」を探している人に対して、
「できるようになること」ばかりを求めていたのかもしれません。
そこから関わり方を変えました。
無理に引っ張るのではなく、隣に立つ。急がせるのではなく、待つ。
「頑張れ」ではなく、「あなたのペースで大丈夫、一緒に進もう」
そう伝え続けました。
すると、少しずつ変化が起きました。
小さな挑戦が増えました。 笑顔が増えました。
そして何より、その方自身が
「自分にもできる」という気持ちを取り戻していきました。
私は思います。
支援とは、その人を変えることではありません。
その人が本来持っている力を、一緒に見つけることです。
保護者の皆様。
お子様のことで悩む日もあると思います。
「この先、大丈夫だろうか」
「この子の未来はどうなるのだろう」
不安になることもあると思います。
でも、どうか忘れないでください。
その子には、その子にしかない可能性があります。
今できないことが、未来永遠にできないことではありません。
時間が必要な子もいます。 遠回りする子もいます。
でも、その歩みには必ず意味があります。
そして職員へ。
私たちは「預かった命」と向き合う仕事をしています。
ただ仕事をこなすだけなら、福祉の仕事ではありません。
記録を書くこと。
送迎すること。
プログラムを提供すること。
もちろん大切です。
しかし、一番大切なのは、
「その人の人生に責任を持つ覚悟があるか」です。
「この人は無理だ」そう思った瞬間、支援者としての成長は止まります。
「なぜ、この行動をするのか」「この人は何を伝えようとしているのか」
そこまで考えることが、本当の支援です。
優しさだけでは利用者様を守れない。
しかし、理解のない厳しさでも利用者様を傷つける。
必要なのは、本気で向き合う覚悟です。
嫌われてもいい。厳しいことを言わなければならない時もある。
でも、その根底には必ず、「あなたを諦めない」という想いがなければならない。
私たち株式会社笑好が目指すものは、ただサービスを提供する場所ではありません。
「ここに来てよかった」
「この人たちに出会えてよかった」
そう思っていただける場所を創ることです。
そのために、私たちは今日も問い続けます。
あなたは、その人を本当に見ていますか?
その人の可能性を、本当に信じていますか?
支援とは技術ではない、最後は、人として向き合う覚悟です。

