「愚痴・マイナス言葉を使う人に限って」
「忙しいから無理です」 「どうせやっても無駄です」 「あの人が悪いんです」
「会社が悪い」 「利用者様が大変だから仕方ない」 「自分ばかり頑張っている」
人は、苦しくなると愚痴を言いたくなる。それ自体を否定するつもりはありません。
誰だって弱音を吐くことはある。私だってあります。
しかし、経営者として長く人を見ていると、ひとつ気になることがあります。
愚痴やマイナス言葉が多い人に限って、自分自身の行動を振り返らない。
これ、本当に多い。
「あの人が動かない」 そう言う本人が、実は一番動いていない。
「周りが協力してくれない」 そう言う本人が、周りに協力してもらえるような関わり方をしていない。
「職場の雰囲気が悪い」 そう言う本人が、その雰囲気を悪くする言葉を毎日吐いている。
怖いですよね。 でも、これが現実です。
愚痴というのは、言った瞬間に消えるものではありません。誰かが聞いている。
そして、その言葉は必ず誰かの心に残る。
一人の「無理」が、二人目の「無理」を生む。
一人の「どうせ無理」が、職場全体の「どうせ無理」に変わる。
そうやって、組織は少しずつ腐っていく。大きな問題が起きてから崩れるのではありません。
小さなマイナス言葉の積み重ねから、組織は壊れていく。
だから私は、言葉を軽く考えません。福祉の仕事は、特にそうです。
利用者様や子どもたちは、職員の言葉だけではなく、表情や空気まで感じ取っています。
職員が「面倒くさい」「無理」「大変」と思いながら支援していたら、それは必ず伝わる。
だからこそ、「言葉」は支援の一部だと思っています。
もちろん、問題があるなら言っていい。改善すべきことがあるなら、どんどん言ってほしい。私は「黙って我慢しろ」と言いたいわけではありません。
ただし、愚痴と問題提起は違う。ここを履き違えてはいけない。
「こんな問題があります。だからこう改善したい」これは前向きな意見。
「こんな問題があります。だから無理です」これはただの愚痴。
似ているようで、まったく違います。前者には責任がある。後者には責任がない。
私は、責任を持って発言する人を大切にしたい。
そして、もう一つ。愚痴が多い人ほど、「自分は頑張っている」と言います。
でも、本当に頑張っている人は、意外と自分から「頑張っている」と言わない。
結果を出す人は、言い訳より行動を選ぶ。
成長する人は、他人のせいにする前に自分を見る。
強い人は、「自分に何ができるだろう」と考える。
結局、ここなんです。愚痴を言うことが悪いのではない。
問題なのは、「自分は悪くない」というところで思考を止めてしまうこと。
人生も仕事も、すべてが思い通りになるわけではありません。
嫌なこともある。理不尽なこともある。失敗もする。腹が立つこともある。
だからこそ、私は職員に伝えたい。
マイナスな出来事をゼロにはできない。
でも、マイナスな出来事をどう受け止め、どう行動するかは自分で決められる。
「無理」と言うのか。「どうしたらできる?」と考えるのか。「誰が悪い」と言うのか。
「自分にできることは何か」と考えるのか。
その小さな選択の積み重ねが、その人の価値をつくる。
最後に、経営者として一つだけ。
私は、愚痴を一切言わない人を求めているわけではありません。
完璧な人間なんていません。私自身も、まだまだ未熟です。
ただ~、愚痴を言ったあとに、必ず自分自身を見てほしい。
「自分にも原因はなかったか?」 自分にできることはなかったか?」
「言葉ではなく、行動で変えられなかったか?」
そこまで考えてほしい。
なぜなら、環境を変える人は、環境の悪口を言い続ける人ではない。
自分の行動を変えた人だからです。
愚痴を言うのは簡単。人のせいにするのも簡単。「無理」と言って逃げるのも簡単。
でも、誰かのせいにする人生より、自分の責任として背負う人生のほうが、
私はずっとカッコいいと思う。
言葉は、その人の心を映す鏡。
今日、自分が口にした言葉を、一度振り返ってみてください。
そこに、「今の自分」が全部出ています。

